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免疫力を高めて、病気を治す画期的治療法

当鍼療室は開業以来、主に痛み治療を専門に鍼灸治療を行ってきました。しかし、患者さんの中には痛み以外にめまい、耳鳴り、難聴、片頭痛、冷え症、便秘、円形脱毛症等自律神経のバランスの乱れからくると思われる症状を訴える患者さんも多く来室されました。
この自律神経のアンバランスによる自律神経失調症は、古医書による未病概念(図 未病A・B)に相当し、未病とは健康と疾病との間の半健康状態(自律神経失調症)を指しています。自律神経失調症に対する鍼灸療法の取り組みについては、本格的な病気になる前段階の未病生活習慣病を対象として治療することが最も望ましく、鍼治療に運動療法を併用することが有用とされています。

                            <長崎大学 森 望 論文より>

当鍼療室ではここ数年、これらの自律神経のバランスの乱れが原因と思われる患者さんに対して、山元式新頭針療法(YNSA)や井穴刺絡療法(つむじ療法)などの自律神経免疫療法や星状神経節照射療法(SGR)、還元電子(マイナスイオン)療法を行い良好な治療結果が得られたので皆さんにご紹介したいと思います。
                                 

どうして病気になるのか?

自律神経には、交感神経と副交感神経があります。日中は交感神経が優位になって血管を収縮させ、脈拍が上がり、呼吸数も増え、仕事や生活に精を出すことができます。反対に安静時や睡眠時などは副交感神経が優位になって血管を拡張させ、脈拍をおさえ呼吸数を減らし消化を促進します。このように交感神経と副交感神経がバランスよく働くことで、我々は毎日健康的な生活を送ることができるのです。
しかし、この自律神経のバランスがくずれて一方に偏った状態が続くと、
自律神経失調状態になります。自律神経失調状態が進むと、不眠やイライラ、耳鳴り、難聴、頭痛、冷え症、円形脱毛症さらにはガンやリウマチ、アトピー性皮膚炎、といったさまざまな病気を引き起こすと言われています。


これらの病気は、交感神経が優位になっていることで発症しますが、逆に副交感神経を優位にすることで自律神経のバランスが整えられ、免疫力が高まり、治癒に導かれることが期待されます。


白血球と自律神経との関係が明らかに!

最近の研究では、交感神経が緊張すると白血球の中の顆粒球が増加し、多量の活性酸素を放出することがわかってきました。この多量の活性酸素は全身のいたるところで放出され、細胞粘膜を傷つけさまざまな病気を引き起こします。

また、白血球の中の顆粒球とリンパ球が交感神経と副交感神経と深く関係しており、顆粒球とリンパ球の数値から交感神経や副交感神経の緊張状態を知ることができるようになってきました。
表1から表7にその一例を示してあります。



                    <福田稔著ー難病を治す驚異の刺絡療法ーより>
表1は、64歳男性の白血球(顆粒球とリンパ球)の検査データです。顆粒球は正常値より低くリンパ球は逆に高く、リンパ球型体質(副交感神経優位)が明らかです。動悸、息切れ、下肢の冷えが主訴で来室された患者さんです。表2は63歳女性の方で、疲労、頭痛、嘔気、背中の痛みで検査入院された方です。特に肝機能などの検査値には異常は認められませんでしたが、典型的な交感神経緊張状態を示しています。
表3と6は関節リウマチで痛みを主訴に来室された方です。最近の研究では活性酸素や腸内細菌叢との関係が注目されており、治療としては自律神経免疫療法の他に食事指導、アンチオキシダント療法を追加しました。表4の方は不眠・味覚障害を主訴に来室された方ですが、いずれも来室時強い交感神経緊張状態を示しています。表5の方はパーキンソン病の方ですが同じく交感神経緊張状態を示し他にHbA1cと尿酸値も高く、食事指導も併せて行った患者さんです。
表6の方はリウマチの発症から6年近く経過した方です。徐々に痛みが強くなり、ステロイド剤の増量もあり心配で来室されました。表7の方は当初、急性腰痛で来られた方ですが、約3年前にパーキンソン病と診断され、最近動きが緩慢となり少しでも動きが楽になればということで、鍼灸治療を始めた方です。















また、簡単な自律神経自己チェックリストを用いることで自分の自律神経失調状態を知ることもできます。

                 <村上正人、則岡孝子著ー自律神経失調症を治す本ーより>

私ども宮の上鍼療室では、これらの検査の他に血液細胞観察を加えることにより、早期に未病(自律神経失調症)を明らかにし治療を行っています(写真下)。

          


自律神経の乱れを正す自律神経免疫療法

病気を予防したり治したりするには、自律神経のバランスを整える方法を用います。
自律神経免疫療法では、針や磁気針、レーザーで皮膚を刺激して"排泄反射<嫌なもの反射>"を起こさせ、交感神経優位から副交感神経優位の状態に変えるのです。”排泄反射<嫌なもの反射>”とは、針の痛みや磁気針、レーザーの刺激を体外に排出するために副交感神経が優位になることで、排泄は副交感神経優位の状態で行われるからです。もちろん、自分でできる爪もみ療法や乾布摩擦などでも副交感神経を優位にすることができます。

私ども宮の上鍼療室では、これらの自律神経失調症の患者さんにYNSAや刺絡療法(つむじ療法)、星状神経節刺激療法還元電子治療を使い自律神経のバランスを正常にして免疫力を高める治療を行っています。
 
<治療を行う福田稔先生(写真左)ー難病を治す驚異の刺絡療法ーより>
  
これまでの経験として冷え性、胃潰瘍、耳鳴り、片頭痛、逆流性食道炎、円形脱毛症などの症状に治療した結果、自律神経免疫療法でこれらの症状が改善しています。 ただし、欠点として治療効果を期待するには2〜3か月の期間が必要なことと、治療にある程度の痛みを伴うことが挙げられます。当鍼療室ではこの自律神経免疫療法を患者さんに指導し、主に自宅で自分で行っていただいています。
ここでは、私どもが行っている山元式新頭針療法(YNSA)や井穴刺絡療法(つむじ療法)、星状神経節照射療法(SGR)還元電子治療などの治療を紹介したいと思います。

〇山元式新頭針療法(YNSA)

YNSAとは、宮崎県の山元敏勝医師が1973年に確立した頭鍼治療法です。YNSAはすべての痛み、神経症状、不定愁訴などに即効性のある治療効果があります。YNSAはその治療効果の高さから、補完代替療法に関心の強い欧米で早い時期から注目を集め、各国でセミナーが頻繁に行われてきました。現在でも世界では、YNSAを治療に取り入れる医師は増え続けています。
YNSAは頭部(主に三叉神経領域)にある「治療点」を針で刺激して、痛みや不定愁訴を解消する治療法です。頭部に刺した針刺激は、中脳から延髄まで広く分布している三叉神経核で動眼神経、顔面神経、舌咽神経、迷走神経を経由して、副交感神経として各効果器に伝わります。このことによりストレスなどで亢進した交感神経はその活動が抑制され、生体の恒常性が保たれます。

〇井穴刺絡療法(つむじ療法)

井穴刺絡療法は、針で手足の指先、頭部を刺激して交感神経の興奮を抑えることで、病気の治療を行う治療法です。1970年以来、この研究を続けてこられた浅見鉄男先生により確立された治療法です。この治療法をもとに編み出された「福田ー安保理論」による「つむじ療法」は、自律神経免疫療法として成果を上げています。自律神経免疫療法は、長い期間をかけていくつかの変遷を経てきましたが、その手法については、ベースである井穴・頭部刺絡の流れをくみ磁気針を使って頭の天辺から足の先まで刺激を行いますが、とくに頭部への刺激は重要視されています。

〇星状神経節照射療法(SGR)

 
 
 
星状神経節照射療法(SGR)は、頚部にある交感神経節(星状神経節)に生体深達性の高い波長帯高密度近赤外線を照射する治療法です。この星状神経節照射療法は、自律神経系の中枢である視床下部に影響を及ぼし、全身的に交感神経の緊張を緩和します。交感神経の過緊張(過剰な緊張)が全身的にさまざまなトラブルを作り、血液の循環障害が起こり、ホルモンの分泌が乱れ、病気を防ぐ免疫の働きも低下するというように、体の健康を保つおおもとの仕組みが混乱するために、いろいろな病気や症状が起こってきます。

それに対して、星状神経節照射療法は、おおもとの原因である交感神経の過緊張を緩和するので、いろいろな病気や症状が治ってくるのです。この療法の自律神経系に対する作用は、まず全身の交感神経の過緊張を緩和し、うっ滞していた血行を改善することです。この血行改善こそ、星状神経節照射療法でいろいろな病気や症状が改善される最大の理由です。

体には自然治癒力が備わっていますが、その自然治癒力を発揮させるのが血液です。血液の中には細胞を賦活する酸素や栄養分とともに自然治癒力を助ける物質(免疫物質)もたくさん含まれています。ですから、血液循環をよくすることが、あらゆる病気の治療法の基本なのです。

〇還元電子(マイナスイオン)療法

 
 
 
還元イオン療法は、自然界のマイナスイオンと同等の「カンゲンイオン」を人体に与えて生体の恒常作用を賦活化することにより、疾病の改善を行う画期的な治療法です。還元イオン療法は酸性化している人体の体液をアルカリ化させます。さらに皮膚並びに体内の循環血液動態を改善させ、酸素や栄養成分を供給します。

還元イオン療法は、症状を抑えるだけの対症療法と違い、自然治癒力を高 めて生体自らの力で病気を治す根治療法なのです。また活性酸素の消去力が強く、併せてSOD活性を増大させますので活性酸素が原因となって発症・悪化する疾患、動脈硬化症(脳梗塞、心筋梗塞)、糖尿病、肝炎、腎機能障害、気管支喘息、アトピー性皮膚炎等に高い効果があることが報告されています。

また、ナチュラルキラー(NK)細胞活性を増強しますので、癌を抑制する効果も高いと報告されています。当鍼療室では、主にアトピー性皮膚炎や自律神経失調症などの患者さんに鍼治療との併用で使用しています。

自律神経免疫療法の理解を深める動画サイトです

 
山元式新頭針療法(YNSA)
 
井穴刺絡療法(浅見鉄男先生 井穴刺絡を語る)

自律神経免疫療法(つむじ療法)


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