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腰痛の原因(腰痛の種類と整形外科学的疾患)

腰痛は日常もっともありふれた訴えですが、必ずしも十分に理解されているとは言えません。日常生活や習慣などを改善するだけで解決するものから、重大な疾患の前触れであるものまで、その原因は様々です。下の一覧は、病態よりみた腰椎部位別の疼痛の特徴と代表疾患をまとめたものです。主として椎間板、椎間関節などに由来する体性痛と馬尾、神経根に由来する根性痛では、疼痛の部位種類に当然違いがあります。これらの特徴を十分理解して、診断・治療を行っていくことが重要です。 

  1)椎間板性疼痛
    椎間板変性症、変形性腰椎症
    2)椎間関節性疼痛
      椎間関節性腰痛、腰椎分離症、cellulalgia
    3)腰椎不安定性による疼痛
      腰椎分離すべり症、腰椎変性すべり症
    4)神経根性疼痛
      腰椎椎間板ヘルニア
    5)馬尾神経根絞扼による疼痛
      腰部脊柱管狭窄症
    6)いわゆる腰痛症
      ストレス、原因不明・・・他

(図:標準整形外科学第9版より引用)

腰痛の代表的な症状と検査

 
 (図:標準整形外科学第9版より
   引用
腰痛症は、原因疾患によっては様々な症状を現しますが、自発痛より運動痛が主体です。同一姿勢の持続や繰り返し動作などによる疲労により増悪します。休息や安静により軽快・消失するものが多く、逆に頑固な腰痛は器質的な原因の存在を推定させます。
特に代表的な症状は下記の通りです。
 
 問診(既往歴、仕事、長く歩けないなど)
 下肢放散痛と疼痛のための腰部の側弯が見られる
 腰部の運動制限、特に後ろにそる動作の制限
 臀部の圧痛と大腿後面の坐骨神経の圧痛
 坐骨神経・大腿神経の伸展テストが陽性
 下肢のシビレ(だるさ)などの知覚障害自発痛
 足指の背屈力の低下
下肢深部反射の低下
(膝蓋腱反射、アキレス腱反射)
腰部外側のcellulalgiaの確認(Maigne)
腰椎椎間関節から生じる坐骨神経痛様の痛み
トリガーポイント

この部位のcellulalgiaは、下部腰椎が起因ではなく、T12かL1の椎間関節痛によるものです(Maigne)。尿管結石の場合もここに痛みが放散します。従来、腰痛のときにL4、5の代表的な疼痛の発現部位とされてきましたが、胸腰椎移行部(T12、L1)からの椎間関節痛であるのが正しい見かたです。  
図:「整形外科プライマリケアハンドブック」より引用
最近、徒手医学の進歩により、人体の関節の滑り運動が障害されるといろいろな痛み(関連痛)が生じることがわかってきました。腰椎椎間関節から生じる坐骨神経痛の痛みなどが実験により証明されています。
                    図:「整形外科プライマリケアハンドブック」より引用
■腰痛症の理解を深める動画サイトです −参考−
 
 腰椎の解剖
 
 腰痛症(ヘルニア、坐骨神経痛)

腰痛評価テスト


仙腸関節の機能不全と痛み


検査所見に基づく治療の進め方

<腰痛治療>
腰痛の治療は、急性期と慢性期では治療が当然異なります。急速な麻痺の進行とか膀胱直腸障害、そして、強い痛み訴える場合は、医師の治療に委ねるのが賢明です。また、漫然と治療を続けるのではなく、定期的に医師の診察を受けることも必要です。その上でもっともよいと思われる治療を選択して行っていきます。
急性期 
 急性期の腰痛では、まず安静臥床が最良の治療です。大部分の急性腰痛は、安静により数日間で軽快します。痛みが峠をこしてから専門医を受診されても遅くありません。しかし、発熱、嘔吐、下痢、頻尿などの随伴症状や膀胱直腸障害(尿、便の排泄障害)、麻痺を伴う場合は、すぐに専門医の受診が必要です。また、夜間など安静臥床でも我慢できない痛み場合には、何か重大な疾患の始まりのことがありますので、急患として受診をお勧めします。この時期に、はり灸治療に来られる患者さんも多いのですが、基本的には安静臥床が一番の治療です。

慢性期 
 慢性腰痛に対する宮の上鍼療室の治療を紹介します。治療内容は、患者さんの症状に合わせ、いくつか組み合わせて行っています。疾患別で言いますといわゆる腰痛症や椎間関節性腰痛、神経根症状では、鍼麻酔、腰部神経根刺激を同時に行ます。また、腸腰筋症候群や椎間関節性腰痛には運動鍼も実施します。これらのケースでは、はり治療が著効するケースが多々見られます。

腸腰筋症候群や椎間関節性腰痛には運動鍼も実施します。
痛みのある部位の温熱効果をねらって、主にきゅう頭鍼と間接灸を実施しています。

このスーパーライザーの光作用と熱作用は、温熱効果と鎮痛効果に優れています。
疾患部位の特定と疼痛緩和、軟部組織のマッサージを目的とします。

脊椎症や椎間板ヘルニアのほか脊椎に起因する症状の軽減を図ることを目的とします。
急性期には主に安静指導が中心、慢性期には腰痛予防の観点から腰痛体操を指導します。

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