突発性難聴とは・・
突発性難聴とは名前のとおり、ある日突然、片耳だけが聞こえなくなる病気です。明らかな原因がなく、その症状は重症なものから耳閉感のような軽度なものまでタイプがさまざまです。 主な原因としては、ストレスやウィルスの感染により内耳の血流が悪くなり発症すると考えられます。また、ある程度の確率で多血症の患者さんがかかりやすい傾向も見られます。この病気になるとできるだけ早期の治療開始が望ましいので、おかしいと思ったらすぐに耳鼻科を受診することが大切です。
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突発性難聴の原因・前兆と症状
1.ストレス ストレスと難聴の因果関係はまだ不明です。しかし、突発性難聴を発症した人には精神的ストレス、睡眠不足、肉体疲労などがあったということが少なくないため、ここには何らかの因果関係があると考えられています。一般的にストレスが高くなると交感神経が優位になり、血管は収縮します。つまり、ストレスが血流障害を起こす可能性が高くなるので、その結果、突発性難聴を起こしやすくなるという説です。 2、ウィルス感染 他の原因としてウイルス感染という説があります。しかし、突発性難聴を起こす特別のウイルスは、まだ見つかっていません。風邪やヘルペスにかかった後に突発性難聴になることも少なくないということから、この病気の原因の1つとして疑われています。 3、血流障害 血流障害とは、内耳血管で血栓、出血、麻痺などが起こり、そのことがもとで内耳の血流が妨げられて血液が内耳に十分届かず、突発性難聴が起きるという説です。この説が支持される理由の一つとして、たばこやアルコールの過剰摂取は突発性難聴が治りにくいということがあります。たばこやアルコールを摂取することによって血管収縮が起き、血流障害を来すために突発性難聴の治療を遅らせたり、難聴の再燃を促進させるということがあります。このことなどからも血流障害は突発性難聴の大きな原因の一つと考えられています。 4、注意すべき生活習慣 厚生省特定疾患難病の疫学調査によると、食事に関連した生活習慣で、「朝食をとらないこと」、「日本茶を飲まないこと」、「西洋型の食事」などが突発性難聴のリスクとしてあげられています。野菜の摂取が少ないと発症リスクが上がるという報告もあり、突発性難聴に限らずその他の病気のリスクを下げるためにも、バランスの良い食事が勧められます。 また、不規則な生活習慣は、免疫力低下の原因となり、免疫力の低下は難聴などの病気を引き起こす原因となります。「突発性難聴」の患者の既往症については、心疾患や糖尿病、高血圧などを患っている人が多いという報告があるので注意が必要です。
以上の症状が見られた後に聞こえにくさを感じたら、すぐに耳鼻科を受診しましょう。 突発性難聴の患者さんの中には時々、胸鎖乳突筋の張りや緊張が見られたり、血液が凝集 または連鎖状の形状をしていることがあります(下図)。
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突発性難聴の治療 ー当治療室で行っていることー
1、病院・ドックでの血液検査値で顆粒球の中の好中球の値が高い場合、自律神経のバランスを整える鍼灸治療を行います<尿検査でpH値も参考にします>。これは好中球の自爆死(エトーシス)により、体内に大量の活性酸素がばらまかれるからです。また、赤血球が多い方(多血症)や血液細胞観察(LBA)で血液の凝集がみられる場合は、血液の粘張度が増していることが考えられるため水分(アルカリイオン水)を多めに摂取します。 2、自律神経のバランスを整える治療 〇まず、最初に交感神経を抑制する治療を行います。その後、副交感神経促進と副腎の刺激療法 を行い自律神経のバランスを整えます(頸部・頭部と背中の鍼灸治療)。 〇次に星状神経節照射療法(SGR)と還元イオン(マイナスイオン)療法でも頭部の血液循環 促進と自律神経の調整を行います。 3、食事指導として、自然食、発酵食品、根菜類、野菜スープとキャベツの酢漬などのSOD食品 を積極的に摂り、腸内フローラを整えます。 4、体内にできた大量の活性酸素を減らす目的で、4〜5種類の抗酸化サプリメントとLBAで凝集 (連鎖)赤血球がみられる場合、消化酵素サプリメントを2種類摂取します。 5、胸鎖乳突筋の張りや緊張がある場合、マッサージや指圧で少し筋肉をほぐします。 6、オージオグラム、赤血球のLBA画像、顆粒球とリンパ球の検査結果を見ながら調整し、3〜4カ月 を1クールとし治療を行います。 ※病気は違いますが、同じ治療を耳鳴り、パーキンソン病、リウマチ、自律神経失調症の患者さんにも行っています。以下は治療例です。
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生活上の注意
突発性難聴の原因は不明ですが、ストレスや過労、睡眠不足、不規則な生活が引き金となって発症すると言われています。従って、安静にしてストレスを減らすなどの注意が必要です。また、耳の神経がダメージを受けている状態であることから、大きな音を聞かないようにしたり、急激な気圧の変化などを避けるなどの工夫も必要です。
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補足 ― 病気の成り立ち ―
好中球の自爆死(エトーシス)により大量の活性酸素が発生し、全身にばらまかれ ます。また、このエトーシスにより発生した活性酸素の影響で全身の管・血管閉塞が 起こり病気が発症すると考えらていれます(図下)。 |
出典:Cell Death & Differ. 2021;28:3125-39.) |